| S.A.C.S.(システマ・アキュラシー・コントロール・システム) | |
| 1.HOPシステムとは | |
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現代的なエァーガンには、一定の初速で飛距離の増大を図るHOPシステムは無くてはならない技術として定着しています。 現実的には、ゴルフのクラブヘッドにアングルがついていることや、ホームランボールがボールの中心ではなく、やや下面を叩くことによりスタンドまで届く理由でもお馴染みです。 揚力を発生させるためには、「球状物体に上向きの回転を与える」ということがミソですから、エアーガンにおける実施例についても、さまざまなアイデアが生まれました。 そのほとんどが、「チョンガケ」と呼ばれる、インナーバレル内壁上方に抵抗値の高い突起を設け、撃ち出されるBB弾に回転をつける、と言う構造です。 現在では、この「引っ掛ける度合い」を調整可能にした、「可変HOP構造」が主流です。 |
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| 2.弾道に及ぼす影響 | |
| しかし、この画期的なHOP構造にも欠点が無いわけではありません。 それは、「弾道」への影響です。 銃を操作するのはあくまでも人間です。その人間は飛翔物体に働く重力を自然のものとして認識しています。つまり、放物線こそもっとも自然な弾道というわけです。 しかしながら、HOP弾道はBB弾が前進するエネルギーが落ちると、より効果が顕著に現れるため、ターゲットまでの距離を正確につかんでおかないと、最終的には照準線よりも高い位置に着弾してしまいがちです。 |
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| 3.私どもの考える理想的な弾道パワーと飛距離 | |
| 私どもは、かねてより射程距離は可能な限りBB弾を射出する力、つまりパワーで稼ぐことを理想としてまいりました。 このように書きますと、当然各方面からのお叱りがフルオートで飛んでまいりますが、しかしさらに誤解を恐れず申し上げますと、私どもは「弾速優先主義」なのです。 これは、「パワー優先主義」とは少しだけ意味合いが異なります。 私どもは、なにもおもちゃの鉄砲に、人を傷つけるための「破壊力」を求めているわけではありません。 しかし、弾道を目視で調整しながらの射撃は好みではないのです。(つまり、銃はサイトで狙って撃つものだという考えです。) そこで私どもが選択した方法が、「出来るだけ軽いBB弾をまっすぐに飛ばすこと」だったのです。 現在、ゲーム・フィールドでは照準のしやすさと、横風の影響を防ぐ意味で0.25gのBB弾が主流です。しかし、人にだけ向けて撃つゲームにおいて、BB弾が10〜20m飛翔した後の残存エネルギー値の高い重量弾を使用することは、これもまた安全を積極的に選択しているとはいえないことなのです。 私どもは、すべての検査において0.2gのBB弾を標準としています。 すべてに満足はしておりませんが、この重量以下では精度の高いBB弾が製造されていないのです。(本当は0.17〜0.18g程度が私どもの理想です。) そして、弾道に及ぼす影響では遥かに不利な状況で、可能な限り命中精度を追求しているのです。 |
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| 4.きわめて弱いHOPを確実にかけるには | |
| 上記の理由により、積極的に軽量なBB弾を選択した後弾道の安定性を求めますと、HOP構造においても、より微細なコントロールを必要とします。 パワーによる低伸弾道を阻害せず、なおかつ必要な揚力は確実に生み出す構造ですから当然のことです。 そこで今回開発いたしましたのが、S.A.C.S.(システマ・アキュラシー・コントロール・システム)です。 動きのご説明は、まず図をご覧ください。 |
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| 各部の名称 | |
| 1.チャンバー 亜鉛ダイキャスト製です。 ノズルの摺動部分の勘合寸法には特に気を使った設計となっています。 許容値いっぱいまで銃身線に近い部分で給弾するように設計いたしましたので、射撃途中でマガジンを抜いても「弾こぼれ」は一発しかおきません。 ブランク(加工用の素材)の外径を加工し、寸法を揃えてアウター・バレルに勘合させていますので、少々ラフにマガジンを挿入したぐらいでは壊れない設計ともなっています。 2.バレル 真鍮製でアウター・バレルとの勘合寸法は僅かに5/100mmです。このほぼ密着状態でのセッティングによりフルオート射撃時にピストンによる打撃のブレを制震する効果があります。 よって、グルーピングの飛躍的な向上が可能になりました。 内径は6.1mm(「良く当たるバレルとは」の項をご参照ください。)で設定しています。 3.アジャスター この構造のもっとも重要なパーツです。 横方向から貫通されたシャフトによりローラーパッキンを支持し、このパーツそのものはバレルに対してスムーズに上下動します。 さらに、アジャスター・クッションのゴム弾性により絶えず下方向に向けてテンションがかかるようセットされています。 4.アジャスター・クッション アジャスターを常時下方向にセットするための部品です。NBR製。 図で示したように2個同時に使用することにより、アジャスターとそれがセットされるバレルとの横方向の「がたつき」を最小にしています。 5.ローラーパッキン バレル内部でBB弾と直接接触することでBB弾にHOPをかけます。 セットされるアジャスターのシャフトよりも大きい寸法の貫通穴があいている形状となっています。 この形状によりBB弾はローラー・パッキンと接触しつつ前進することを余儀なくされるわけです。 6.チャンバーパッキン チャンバーパッキン・ベースという真鍮製のパーツに接着加工後チャン場―に挿入されています。 これは、一方でノズルとの密着度を増すことと、他方で私ども独自の給弾の機構上(次回解説の予定。)ノズルの衝撃を緩和することを目的としています。 リップ部分がかなり肉厚なデザインとなっているため、バレル・クリーナー等を使用する際も過度に気を使う必要はありません。 7.エアシールパッキン チャンバーとバレルとの隙間から圧縮空気が漏れるのを防ぐためのパッキンです。 ![]() |
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| 給弾終了・発射待機位置 | |
| 図はノズルによりマガジン内部のスプリングにより上方向への移動を遮断されていたBB弾が、ノズルの一回の前後動によりバレル内部に装填され発射準備状態となっていることを示しています。 ノズルの前面は、ノズルスプリングのテンションによりチャンバーパッキンと密着し、後方のシリンダーからの圧縮空気の漏れを防いでいます。 この状態におけるBB弾は、チャンバーパッキンとアジャスターにセットされたローラーパッキンとの間で静止しています。 ローラーパッキンは自重により、アジャスターのシャフトとの隙間分だけ下方に下がっています。 ![]() 発射1 この図は、後方より圧縮された大気が、BB弾をごく僅か前方に移動させた状態を示しています。 後方より圧力を加えられたBB弾は、まず始めにアジャスターにセットされたローラーパッキンを前方に動かします。 ![]() 発射2 BB弾がさらに前進すると、ローラーパッキンはアジャスターのシャフトとの隙間分だけ回転しながら上方に移動させられます。 ![]() 発射3 ローラーパッキンの抵抗によりスムーズにBB弾が発射されないため、シリンダー内部の大気圧縮密度は最大となります。 この状態で初めてローラー・パッキンはゴム弾性によりごく僅か形状を変化させます。 しかし、アジャスターとの間はシャフトとの勘合であるため、ローラー・パッキンの回転によりBB弾には過度の圧迫は加えません。 しかし、それだけではBB弾は通過不可能な寸法になっているため、ローラーパッキンよりもよりゴム弾性の劣るアジャスター・クッションの形状を変化させ、アジャスターそのものを上方向へスライドさせます。 ここで初めてBB弾は通過可能となるのです。 ![]() 発射4 BB弾は、上向きの回転を与えられつつバレル内で加速し発射されます。 ![]() |
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| 5.「時間」という概念 | |
| ご覧のように、BB弾が発射されると同時に稼動するパーツが2つあります。つまり、ローラー・パッキンとアジャスターです。 これは、ローラー・パッキンがBB弾に出来るだけ確実に接触しながらも、前進するためのエレルギーロスを最小限にすることが目的です。 つまり、接触する力は限りなく弱く、変わりに接触する時間を長く取ること、これがこの構造のもっとも重要な概念です。 また、ローラー・パッキンはBB弾に回転しながら接触しますので、従来、点もしくは線のみで接触していた構造よりも油分の影響による「かかりのむら」が低くなることも特徴です。 |
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| 6.そして実射 | |
| 勘の良い方ならもうすでにお気づきのように、この方式のHOPの調整は「緩める方向」で行います。つまり、初期セット状態が「HOP最大」となります。 具体的には調整作業は、マガジンハウジングの下方から付属の専用六角レンチで行います。 レバー式などの便利な調整方法になれた方には少々物足りなく感じられると思いますが、私はこの調整作業そのものを、そう頻繁に行なうものとは考えておりませんので、パーツ増加による動作の不安定性を嫌う選択といたしました。 前述のように、この方式はBB弾とローラーパッキンとの間にかなりの余裕がありますので、「かかり具合」はかなり緩やかです。 従いまして、少しぐらいアバウトな調整をいたしましても機構そのものの許容値内に十分入ってしまいます。あまり神経質にはならなくて結構です。 このような選択の根拠は、繰り返し申し上げますが、私はこの「HOP」という方式そのものが、弾道補正のための補助的なものとしか考えていないというのが最大の理由です。 数多の実射テストの結果は、私なりの満足行くものとなっています。 HOPの存在をことさらに感じさせない、きわめてナチュラルな放物線を描き飛翔するBB弾は、飛距離の延長のみを追及した従来例とは明らかに趣を異にします。 ゲームでの使用時に若干の物足りなさを感じるお客様もいらっしゃるかも知れません。 しかし、「銃はサイトで照準し撃つもの」という、私どもの考え方の原点を是非この際ご理解いただきたいと切に願います。 |
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