480−6511型モーター
今回の新製品に採用いたしました新型モーターの開発コードは、480型モーターと呼んでいます。
これは、皆さんにご愛用いただいております従来型のSYSTEMAモーター(450型)との区別
の意味でそう呼んでいるだけで、型番に性能をあらわす意味があるわけではありません。

この新型モーターの開発が、今回の新製品のあらゆる部品の中で最も重要視されました。
それは、新製品も電動ガンである以上、「モーターの出力特性とバッテリーの放電特性が、
電動ガンの基本性能を決定付ける。」という、私どもの基本理念からすれば、当然の帰結と
言えます。

私どもは、この新型モーターを、ラジコン用モーターに端を発する流用品でなく、純粋に
電動ガン専用モーターとして位置付け開発いたしました。
私どもが考えました電動ガン専用モーターに求められる性能とは、下記の4項目でした。

1. サイズ
2. 起動トルク
3. 定格電流値
4. 組み付け


それぞれを順を追ってご説明いたしますと、

1.サイズ
従来の電動ガンは、ラジコン用モーターである当社の450型モーターと同サイズのモー
ターを収めるために、実銃とは大きく異なるグリップのデフォルメ(サイズ変更)を強いられ
ていました。

そこで私どもは、その方法とはまったく逆に、まず実銃のグリップを正確に採寸し、その
中に収まるサイズのモーターを新規製作し、そのモーターにいかに高性能を持たせるか、
と言う本来あるべき正攻法でアプローチをいたしました。

しかし、その結果最大の外周径はφ30とほぼ同等のサイズを確保できましたが、幅は僅か
に16mmと絶望的な数値が限界寸法という事実が判明しました。
そこで、本来精度とコストの両面からプレスによるしぼり加工でワンピースとするところ
のモーター・ケースを前後にアルミ・ダイキャストによるパーツ(放熱性を重視して採用。)
その間をプレス加工によるマグネット・ケースで連結する構造といたしました。
また、起動トルクに影響するローター径を可能な限り大きく確保するため、ケースの一部
を開放するデザインを採用いたしました。

このような、特殊なデザインにより求める性能を完全に満たした、電動ガンに最も適した
モーターが完成したのです。
さらに付け加えると、銃はグリップを持って取り扱うことがあたりまえのものですから、
グリップの中で構造体として機能するに足る十分な剛性をも、材料選定によるグリップ単
体の剛性及び両者の勘合寸法を吟味することで、同時に確保しています。


2.起動トルク
サイズによる制限がいかに厳しいものであっても、性能面での妥協の理由にはなりません。
ましてや、同サイズながら圧倒的な性能差を見せつけた前作、450型モーターの後なの
ですからなおさらです。

今回のモーターの性能面での開発テーマは「起動トルク」です。
つまり、セミ・オートでのラピッド・ファイアに確実に追従する「立ち上がりのすばやさ」
こそ、電動ガン用モーターの性能として、本来最も重要視されるべきである。という考え
です。

そこで、現存する磁性体中最も磁束密度の高いとされるネオジウム・鉄・ボロンマグネッ
トを採用し、寸法的には狭角な磁界ながら必要にして十分な磁力を得ました。
このマグネットは、平均2200ガウス以上の磁束帯を持つ超強力なマグネットで、このマグ
ネットの採用により従来想像も出来なかった「立ち上がりの早さ」と同時に、回転の収束
のすばやさに起因する「キレの良さ」が実現しました。

今回の新製品は、私どもの従来のチューニングの基本である、「作動の安全マージンはギア
比の低速化により得る。」と言う概念を変更し、「ギア比は一定に固定し、モーターのトル
クとバッテリーの電圧により、出力をコントロールする。」という、極めてシンプルな考え
方をとっています。

ですから、この新型モーターの出力特性の特筆すべき点は「起動トルクの大きさ」ですが、
出力のフレキシビリティもまた大きな特徴と言えるのです。


3.定格電流値
ガンとしての出力の変更は、さまざまなトレーニングの状況にフレキシブルに対応すると
言う必要性からとても重要です。
しかし、そのためにスプリングの交換やそれに伴うギア比の変更、さらにはバッテリーの
電圧の変更など多岐にわたる作業を必要とすることは、トレーニングの現場での即応性と
いう見地からは歓迎できるものではありません。

そこで、最小の作業でこれらの要望を完全に満たす方法として、私どもはシリンダー・ユ
ニットとバッテリーの交換のみという選択をいたしました。
つまり今回の新製品では、従来避けては通れなかったギア・セットの交換は必要とはしない
のです。

それと引き換えに、モーターにはさまざまな電圧のバッテリーの使用に際し、極めてフラ
ットな出力特性が求められたのです。

D.P.L.S.(システマ・ダイレクト・プル・ローディング・システム)の項でもご紹介いたしま
した通り、今回のシステムは従来よりも低い電圧のバッテリーにて、ほぼ同等の出力を同
等の回転数で発揮します。

これは、ひとえにこのモーターの最大定格電流値に起因するものであり、信頼性の高いギ
アBOXの採用と併せ、さまざまなシチュエーションに即座に対応可能な高性能を支える根
幹をなしているのです。


4.組み付け
この新製品は従来と同様に回転の軸方向の変更にベベル・ギアを使用しています。
ベベル・ギアのセッティングはギアの組み立ての中でも寸法制度に厳しいものを要求され
るひとつですが、従来はこの組み付け寸法の中で重要とされるM.D. (マウンティング・ディ
スタンス)寸法が組み立て手順により可変という、かなり変則的な使用法を余儀なくされていました。

今回、私どもは本来の設計方に従い、モーターをロアー・レシーバーにターン・インする
形で組み付ける方法を採用しました。

このため、組み付け部分の厚み寸法を増やしたり、剛性感を損なうこと無しに正確にセッ
ティングすることが可能になりました。
また、ギアBOXそのものもロアー・レシーバーに対し極めて厳しい勘合寸法でフィッティ
ングするために、実際の作動の際ベベル・ギア特有の「鳴き」が最小限に抑制されていま
す。

このノイズの少なさは、同時に伝達効率の高さをも物語るものであり、機関部全体の機械
的信頼性は皆さんの想像以上のものであると自負しています。

このように、新型480型モーターは、電動ガン専用モーターとして、その基本性能の高さ
から皆さんの期待を重分に満たすものと考えます。